食のセレクトショップDEAN&DELUCAでは多くのバルサミコ酢を取り扱っていて違いがよくわからない。
結局、何がおすすめなの?
この記事では
元DEAN&DELUCA マネージャーがセレクトしたバルサミコ酢をおすすめします。
記事の内容
・おすすめバルサミコ酢紹介 3選
・バルサミコ酢とは
・まとめ
まずおすすめするバルサミコ酢、3つをご紹介します。
①レオナルディ モデナ産 バルサミコビネガー 12年熟成
②ジュゼッペ・ジュスティ バルサミコ 20年熟成
③マルピーギバルサミコ バルサモディビーノ 100ml
以上がおすすめするバルサミコ酢となります。
前回と同様ですが
バルサミコ酢って何?
と聞かれてすぐに答えられますでしょうか。
一言でいうと
「ブドウの果汁を濃縮させ、樽で長期熟成させた果実酢」
ということになります。
ではバルサミコ酢について少し深堀りしていきたいと思います。
・バルサミコ酢とは
バルサミコ酢は果実酢の一種。原料がブドウの濃縮果汁であることと、長期にわたる樽熟成が特徴です。 イタリアの特産で、アチェート・バルサミコや短縮してバルサミコとも呼ばれるます。
・バルサミコ酢の作り方
伝統的なバルサミコ酢づくりをご紹介していきます。
簡単に作業行程を説明すると
①ブドウを搾る (手摘みのブドウ)
②搾ってできたブドウ液を直火で煮詰める (モスコットづくり)
沸騰後、12時間煮詰めます。ブドウ液を煮詰めてできたものをモスコットといいます。
③モスコットを半年、寝かせてアルコール醗酵させる
④樽に寝かせて酢酸発酵させる
⑤熟成と毎年の液体の移し替え作業
となります。
・熟成、毎年の移し替え作業
バルサミコ酢が完成するには樽での熟成と毎年の移し替え作業が必要となります。
バルサミコ酢を伝統的な製法で熟成させるには、寒暖の差が激しい屋根裏部屋に置き、最低でも大小容量の異なる5個~9個の樽を一式として使用します。一定期間の熟成後、1年に1度移し変え作業を行います。大きい樽から小さい樽に蒸発した液体分を補充します。
外部に蒸発する年間の液体量は10%~20%と気候に左右され毎年一定ではありません。
この移し作業を経て、12年経った時点からバルサミコ酢を採取することができます。
その量は10リットルの樽から800mlも採れません。
100キロのブドウからできる25年熟成のバルサミコ酢は 2~3ℓ と言われています。
何年も木樽に入ったバルサミコ酢は濃縮し、粘土が増し、木材と酵母と酢酸菌の複雑な相互作用によりさらに芳香が豊かになります。
ワインの製造では樽にワインを入れて蓋をし熟成を行い、樽は数年で破棄されますがバルサミコ酢は毎年、樽の手入れを怠ることなく行い移し替え作業を、50年、100年、と使い続けることにより芳香が高まり、価値が上がります。なのでバルサミコ酢は樽の中にいる時間が最も重要となります。
伝統的製法でないものは、原料のモスコット以外にもワインビネガー、その他諸々の混ぜ物が入り、数か月から数年、大きな樽で熟成したかたちになります。お値段はお手頃ですが伝統的なバルサミコ酢と比べ味も香りもまったく違うものとなります。
一度、伝統的なバルサミコ酢の香りを知ったら誰もがその香りに魅了されてしまいますでしょう。
・バルサミコ酢の使用例
サラダのドレッシング(バルサミコ酢+オリーブオイル+塩)
カプレーゼ、カルパッチョ、ステーキソース、酢豚、ピッツァ
バニラアイス
ではこれより伝統的な製法で作られたバルサミコ酢をご紹介していきたいと思います。
①レオナルディ モデナ産 バルサミコビネガー 12年熟成
原産国:イタリア
原材料:ブドウ
100年以上の歴史を誇るレオナルディ社は、最高の製品を作るために、伝統が求めるあらゆる規則を守り、4代にわたって秘伝の製法を守り伝えてきました。極上の伝統的アチェート・バルサミコ(バルサミコ酢)は、長い製造工程の賜物です。
複雑で力強く、しかも調和がとれて心地よい味わいと絶妙な濃度をもったダークブラウンのビネガー。その特色は、甘さとほろ苦さの混ざった味わいと、ビロードのような滑らかな口当たりにあります。
・アチェタイア・レオナルディ社
伝統的バルサミコ酢の造り手として名高いレオナルディ社は、エミリア=ロマーニャ州のモデナの丘にあります。10haの自家農園を持ち、ブドウの栽培から製品化まで農園内で一貫生産しています。
この地域は夏と冬の温度差が非常に大きく、伝統的製法を用いてブドウを最高の状態で発酵・成熟させることに適していたことから、4世代にわたり秘伝のレシピを守り、門外不出の伝統製法を受け継いできました。
深い茶色、独特の芳香、甘酸っぱい味のバランスは、時代を超越したレオナルディ家の魔法!今日も世界中の人々を魅了し続けています。
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②ジュゼッペ・ジュスティ バルサミコ 20年熟成
原産国:イタリア
原材料:ブドウ、ワインビネガー
レビアーノ種のブドウを柔らかく圧搾し、特に甘い果汁からつくられます。
これに高品質の白ワインビネガーを混ぜ、フレンチオークとアッシュのバリックで熟成させてつくります。
この手順により、ブドウのフルーティーでフローラルなアロマが損なわれず、黄色い果物と柑橘類のドライフルーツの低酸味と甘い香りのコントラストのおかげで非常に甘いバルサミコ酢となります。
・ジュゼッペ・ジュスティ社
ジュゼッペ・ジュスティ社は1605年にイタリア北東部・エミリア・ロマーニャ州モデナ県で設立された、400年以上の歴史を持つ、アチェート・バルサミコ・ディ・モデナの老舗アチェタイアです。
世界で初めてバルサミコ酢のレシピを書面で残したと言われ、
歴史的に大変価値があるとされております。
大きな樽から小さな樽へ、少しずつ継ぎ足していく創設者の伝統的なレシピは、現在に至るまで17代に渡り受け継がれています。
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③マルピーギバルサミコ バルサモディビーノ 100ml
原産国:イタリア
原材料:ブドウ、ワインビネガー
ぶどうのまろやかな甘み、やわらかな酸味、豊かなぶどうの香り。
マルピーギ社が、その伝統的技術を生かしつつ、独自の新しい製法で完成させた6年熟成のバルサミコです。
モデナ産のぶどうを圧搾して加熱したモスコットを、 毎年木樽を替えながら6年間熟成させ、さらにスチール樽で 半年間寝かせて仕上げます。
6年という期間ながら、12年以上熟成させた伝統的バルサミコに匹敵するおいしさを味わうことができます。
12年、25年熟成のものに比べお求めやすい価格なので、本物のバルサミコの風味を気軽に楽しめます。
・マルピーギ社
バルサミコの名産地イタリア・モデナで、1850年に創業したバルサミコ醸造会社。
以来5代に渡って、モデナ特産のぶどうを原料に、伝統的製法による木樽の移し替えを行う、自然な製法による伝統的なバルサミコ酢を作り続けてきました。
伝統的な「バルサミコ・トラディショナーレ」のトップメーカーとして、イタリア国内産の約3割を生産しています。現在の5代目社長はマッシモ・マルピーギ氏、若干33歳。150年の伝統を尊重しながら、新しい感性で事業を受け継いでいます。
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・まとめ
DEAN&DELUCA でおすすめするバルサミコ酢ですがもう一度確認しますと
①レオナルディ モデナ産 バルサミコビネガー 12年熟成
②ジュゼッペ・ジュスティ バルサミコ 20年熟成
③マルピーギバルサミコ バルサモディビーノ 100ml
以上の3点となります。
どの商品もイタリア、モデナ産で伝統的な製法で作られたバルサミコ酢ですが違いとしては
レオナルディは純粋で混ざりものがないブドウだけのバルサミコ酢。
他の2点に関しては製造方法は伝統的手法ですがワインビネガーが混ざっているものとなります。それぞれの良い点があり伝統的製法のみ~伝統的製法+革新的な製法をしている生産者に分かれています。
どの生産者もとても歴史があり、長い年月をかけてバルサミコ酢が作られているのだと感じられたと思います。
ぜひ一度、本物のバルサミコ酢を五感で味わってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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